お米の基礎「米粒」編

お米の基礎「米粒」編

おこめの粒を学ぶ

ふと疑問に思うことはありませんか?ごはん一口に、お米の粒って何粒あるんだろ?なんて。お米の粒ってどんな形しているんだろ?と。いまさら聞けないお米の基礎知識「米粒」編をお届けします。

米粒の全体像

米粒の全体像をみてみましょう。

図の①~⑤までが含まれた状態が玄米です。玄米では「だ円形」をしています。 ①~③の部分(全体を糠(ぬか)といいます)と、⑤の胚芽部を取り除くと④だけが残ります。これが白米になります。

稀に胚芽米(胚芽精米)という商品がありますが、これは⑤の胚芽部分を残した商品です。他にも③の亜澱粉層を残した商品などが最近では増えています。

 

米粒に含まれる栄養素について

上記の米粒の図でいう①~③の部分が米糠になるものです。この米糠には、玄米全体の29%の栄養価が含まれています。 胚芽の部分には、玄米全体の66%の栄養価が含まれています。そして体積では一番大きいですが、胚芽の部分は玄米全体の5%です。

つまり、玄米の栄養価を100とすれば、白米の栄養価は5に過ぎないのです。

 

米粒の種類について

米粒の種類には、いくつかあります。

まずは形状(カタチ)が異なるものがあります。一般的に日本人が食べるお米は、ジャポニカ種と呼ばれる楕円形の形状です。これは中国から伝来した種であるとも言われています。日本国内で栽培されているそのほとんどがジャポニカ種です。ジャポニカ種の他には、インディカ種と呼ばれる細長い形状のものがあります。インディカ種には、タイ米などがあります。

次に色の異なるものがあります。まず米糠(こめぬか)の色が異なるものがあります。黒米(くろまい)、赤米(あかまい)、緑米(みどりまい)など俗に古代米と呼ばれるものは、米糠の色がそれぞれ黒色、赤色、緑色をしています。 一方、米糠の色は一般的なお米の色とほぼ同じですが、④の胚乳の部分が白く濁ったものがあります。もち米と呼ばれる種類は、胚乳部分が白濁色になります。このいろの違いは、胚乳に含まれるデンプン質の違いによるものです。

 

アミロースとアミロペクチンについて

一般的なコシヒカリなどの「うるち米」では、胚乳部分に含まれるデンプンは「アミロースとアミロペクチン」です。一方で「もち米」では、胚乳部分に「アミロペクチン」しか含まれません。このアミロペクチンが、お米の粘りを生み出す根源になっています。 アミロースは、アミロペクチンとは反対に、お米を硬くし、粘り気を少なくする性質を持っています。

アミロースとアミロペクチンのバランスが、お米に絶妙なモチモチ感とサッパリ感を与えています。一般的なうるち米の場合は、アミロース2割:アミロペクチン8割のタンパク質構成となっています。もち米には、アミロースは含まれません。